お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第109回:決算整理(11-10)
税理士資格取得に向けた、簿記3級のお勉強記録。
109回目の本日は【決算整理】の28回目。
今回は「売上原価の算定」について振り返ります。
①売上原価とは
売上原価とは、当期に販売した商品の仕入原価のことをいいます。これまでは商品を
仕入れたら仕入(費用)で処理してきましたが、期末に在庫(売れ残った商品)があ
る場合には、その分の原価を仕入(費用)から差し引かなければなりません。
また期首に在庫がある場合、その在庫は当期中に販売されているので、その分の原価
を仕入(費用)に加算する必要があります。
※売上原価=①期首商品棚卸高+③当期商品仕入高-②期末商品棚卸高
①期首商品棚卸高:期首時点の在庫
②期末商品棚卸高:期末時点の在庫
例)次の数値をもとに、売上原価を算定する
・期首商品棚卸高100円、・期末商品棚卸高200円、・当期商品仕入高1,000円円
100円+1,000円-200円=900円
②仕入勘定で売上原価を算定するための決算整理仕訳
売上原価を算定するための仕訳には、仕入勘定で算定する場合と売上原価で算定する
場合がありますが、ここでは仕入勘定で算定する場合について振り返ります。
売上原価を仕入勘定で算定する場合、仕入勘定と繰越商品勘定を用います。繰越商品
とは、期末に売れ残った商品(期末商品棚卸高)のことをいい、この商品は翌期首に
繰り越されます。したがって当期の決算を行う前の繰越商品勘定の残高は、当期首に
おける商品の残高(期首商品棚卸高)を意味します。
期首時点で保有している商品は通常当期中に販売されるため、期首商品棚卸高(資
産)は当期の売上原価(費用)となります。
そこで決算においては、期首商品棚卸高を繰越商品(資産)から仕入(費用)に振り
替え、仕入(費用)に加算します。
次に期末商品棚卸高を仕入(費用)から繰越商品(資産)に振り替え、仕入(費用)
から減算します。
例)決算において、売り気原価を算定する。期首商品棚卸高は1,000円、期末商品棚卸
高は2,000円、当期商品仕入高は10,000円であった。なお、売上原価は仕入の行で
計算する。
(1)仕訳をする
仕訳 : (仕入) 1000 (繰越商品) 1000
(繰越商品) 2000 (仕入) 2000
(2)精算表に記入する
精算表 .
勘 定 | 試 算 表 | 修正 記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | .
科 目 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | .
繰越 商品| 1000|ーー→ |+2000| -1000|ーーー|ーーー|→2000| | .
仕 入 | 10000|ーー→ | -1000| +2000|→9000| | | | .
ということで、本日はここまで。
次回は「消費税納付額の計算」について振り返ります。
ご一読を頂きまして、有り難うございました。
ご縁がございましたら、どうぞまたお越し下さいませ。