お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第六十八回:試算表の作成(6)
税理士資格取得にむけた、簿記3級のお勉強記録。
68回目の本日は【試算表の作成】の6回目となります。
簿記3級試験で実際に出題される問題パターンのうち、「取引が項目別に与えられてい
るパターン」での試算表作成に取り組んでいきます。
①取引が項目別に与えられているパターンの注意点
取引が項目別に与えられているパターンの問題では、同じ取引が2箇所に重複して記
載されていることがあるようです。
例えば「現金売上1,000円」の場合、「現金の増減」と「売上取引」の2つの項目に
「現金売上1,000円」と記載されていることがあります。
このような重複する取引は、いずれか一方のみ仕訳をします。重複する取引があるか
どうかは、同じ仕訳がないかをチェックすることによって発見することができます。
②試算表作成に使用する取引例
以下の取引例に基づいて、月末時点の合計試算表と売掛金明細表を完成させます
例1)○年1月31日現在の合計試算表
合計試算表
○年1月31日 .
借方合計 | 勘定 科目 | 貸方合計 .
40000 | 現 金 | 6400 .
42400 | 売掛金 | 8000 .
8800 | 買掛金 | 30400 .
| 資本金 | 33000 .
| 繰越利益余剰金 | 3000 .
| 売 上 | 24000 .
16000 | 仕 入 | 2400 .
107200 | ←合計金額 は 必ず一致→ | 107200 .
.
例2)○年2月中の取引
a:現金の増加 現金売上 10,000円
b:現金の減少 消耗品費の支払い 15,000円
d:売上取引 ①現金売上 10,000円
②掛け売上 20,000円
③取引例を基にした試算表作成手順
③ー1:取引の仕訳をします
a (現金) 10000 (売上) 10000
b (消耗品費) 15000 (現金) 15000
c (仕入) 8000 (買掛金) 8000
d① (現金) 10000 (売上) 10000
② (売掛金) 20000 (売上) 20000
(aとd①が重複する取引=同一の仕訳なので、一方の仕訳を消します)
③ー2:略式の勘定口座(Tフォーム)を記入します
まず各勘定のTフォームを作成し、次に1月31日現在の合計試算表の金額を
記入し、その後に仕訳の金額をTフォームに記入していきます。
現金 売掛金
31日 40000 | 31日 6400 31日 42400 | 31日 8000
a 10000 | b 15000 d② 20000 |
買掛金 資本金
31日 8800 | 31日 30400 | 31日 33000
| c 8000
繰越利益剰余金 売上金
| 31日 3000 | 31日 24000
| a 10000
| d② 20000
仕入 消耗品費
31日 16000 | 31日 2400 b 15000 |
c 8000 |
③ー3:「③ー2」のTフォームに基づいて、合計試算表に記入をします
合計試算表
○年2月28日 .
借方合計 | 勘定 科目 | 貸方合計 .
(40000+10000) 50000 | 現 金 |(6400+15000) 21400 .
(42400+20000) 62400 | 売掛金 | 8000 .
8800 | 買掛金 |(30400+8000) 38400 .
| 資本金 | 33000 .
| 繰越利益余剰金 | 3000 .
| |(24000+10000+20000)
| 売 上 | 54000 .
(16000+8000) 24000 | 仕 入 | 2400 .
15000 | 消耗品費 | .
160200 | ←合計金額は必ず一致→ | 160200 .
.
という事で、項目別の取引例から試算表の作成までを一連の流れで行ってみました。
次回からは「伝票」について学んでまいります。
ご一読を頂きまして、有り難うございました。
ご縁がございましたら、どうぞまたお越し下さいませ。