お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第七十回:伝票(後編)

税理士資格取得にむけた、簿記3級のお勉強記録。

 

70回目の本日は、【伝票】の後編でございます。

前回は伝票について、その種類から入金伝票・出金伝票について学んで参りました。

 今回はその続きから「振替伝票」と「一部現金取引の起票」について学びます。

①【復習】三伝票制とは

 三伝票制とは取引を「入金取引」「出金取引」「それ以外の取引」に分け、それぞれ

 「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」の3種類の伝票に記入する方法をいいます。

②振替伝票の起票

 振替伝票には、入金取引・出勤取引のいずれにも該当取引を記入します。このため、

 借方または貸方の勘定科目が決まっているわけではないので、通常の仕訳と同様に借

 方科目と金額・貸方科目と金額を記入します。

 例)2月15日 備品10,000円を購入し、代金は掛けとした。

   ーーーーーーーーー振替伝票ーーーーーーーーー

   |         2月15日          |

   | 借方科目  金額  貸方科目  金額   |

   |  備品    10000   買掛金   10000 |

③一部現金取引の起票

 一部現金取引とは、現金取引とそれ以外の取引が混在する取引のことをいいます。

 例)2月20日 商品10,000円を売り上げ、代金の一部(4,500円)を現金で受け取り、

   残額を掛けとした。

 このような取引が一部現金取引となります。この場合、入金伝票と振替伝票に記入す

 ることになります。

 一部現金取引の起票方法には、①取引を分解する方法②二つの取引が同時にあった

 と仮定する方法があります。

 ③ー1:取引を分解する方法

     前述例の取引は(1)現金売上4,500円と(2)掛売上5,500円に分解するこ

     とができます。

     そこで(1)は入金伝票に、(2)は振替伝票に起票します。

     (1)

       |ーーー  入金伝票  ーーー|

       |     2月20日     |

       |  科目 | 金額  |

       |  売上 | 4500  |

     (2)

       ーーーーーーーーー振替伝票ーーーーーーーーー

       |         2月20日         |

       | 借方科目  金額  貸方科目  金額  |

       |   売掛金    5500   売上     5500 |

 ③ー2:二つの取引が同時にあったと仮定する方法

     前述例の取引を(1)一旦全額について掛けで売り上げ、(2)ただちに売

     掛金の一部が現金で支払われたと仮定します。この仮定の場合で処理しても

     結果は同じとなります。この場合(1)を振替伝票に(2)を入金伝票に記

     入します。

     (1)

       ーーーーーーーーー振替伝票ーーーーーーーーー

       |         2月20日         |

       | 借方科目  金額  貸方科目  金額  |

       |   売掛金  10000   売上   10000 |

      (2)

       |ーーー  入金伝票  ーーー|

       |     2月20日     |

       |  科目 | 金額  |

       |   売掛金  | 4500  |

 

 

という事で、本日はここまで。

次回は「仕訳日計表」について学んでまいります。