お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第八十二回:決算整理(1)
税理士資格取得に向けた、簿記3級のお勉強記録。
82回目の本日は【決算整理】の1回目。
現金過不足の処理について学んでまいります。
①【復習】現金過不足とは
帳簿残高(帳簿に記録した現金の残高)と実際有高(実際の現金の金額)との不一致
ことをいいます。不一致が発生した際は現金の帳簿残高が実際有高になるように、帳
簿上の現金(資産)を調整します。
現金の帳簿残高よりも実際有高のほうが少ない場合は、借方に現金過不足・貸方に現
金で仕訳をし、帳簿上の現金を減少させて実際有高に合わせます。
現金の帳簿残高よりも実際有高のほうが多い場合には、借方に現金・貸方に現金過不
足で仕訳をし、帳簿上の現金を増加させて実際有高に合わせます。
(詳しい内容は、過去記事にて復習)
②決算日における現金過不足の処理について
期中に現金過不足が発生したときは現金過不足の勘定科目で処理し、原因が判明した
場合には該当する勘定科目へ振り替えますが、決算日においても原因が判明しない場
合があります。
このような場合には、現金過不足から雑損(費用)または雑益(収益)に金額の振り
替えを行います。
③現金過不足が借方に生じている場合の処理
現金過不足が借方に生じている場合で決算日までに原因が判明しないときは、現金過
不足から雑損へ振り替えます。
※借方の現金過不足を貸方に記入するので、借方が空欄となります。借方には費用の
勘定科目が記載されるので、雑損となります。
例)決算日において現金過不足(借方)が1,000円あるが、原因は不明である。
(1)仕訳
(雑損) 1000 (現金過不足) 1000
(2)精算表の記入
精算表 .
勘 定 | 試 算 表 | 修正 記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | .
科 目 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | .
現 金 | 10000|ーーー|ーーー|ーーー|---|--→ | 10000| | .
現金過不足| 1000|ーーー|-- →| 1000| | | | | .
雑 損 | | | 1000|ーーー|→1000| | | | .
④現金過不足が貸方に生じている場合の処理
現金過不足が貸方に生じている場合で決算日までに原因が判明しないときは、現金過
不足から雑益に振り替えます。
※貸方の現金過不足を借方に記入するので、貸方が空欄となります。貸方には収益の
勘定科目が記載されるので、雑益(収益)となります。
例)決算日において現金過不足(貸方)が1,000円あるが、その原因は不明である。
(1)仕訳
(現金過不足) 1000 (雑益) 1000
(2)精算表の記入
精算表 .
勘 定 | 試 算 表 | 修正 記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | .
科 目 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | .
現 金 | 10000|ーーー|ーーー|ーーー|---|--→ | 10000| | .
現金過不足| | 1000|→1000| | | | | | .
雑 損 | | | | 1000|---|→1000| | | .
ということで、本日はここまで。
次回は決算整理の2回目、「当座借越勘定への振り替え」を学びます。
ご一読を頂きまして、有り難うございました。
ご縁がございましたら、どうぞまたお越しくださいませ。