お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第八十四回:決算整理(3)
税理士資格取得にむけた、簿記3級のお勉強記録。
84回目の本日は【決算整理】の3回目。
貯蔵品勘定への振り替えについて学んでまいります。
①貯蔵品勘定への振り替えとは
郵便切手は購入時に「通信費(費用)」として、収入印紙は購入時に「租税公課(費
用)」として処理をしますが、決算において未使用がある場合にはその金額を各費用
の勘定から「貯蔵品(資産)」に振り替えます。
※厳密には文房具などの消耗品も、決算時に未使用の物がある場合は消耗品(費用)
から貯蔵品(資産)に振り替えることになりますが、毎期継続して購入している消
耗品については決算日に未使用があっても貯蔵品(資産)に振り替えないのが一般
的となっています。
しかし郵便切手や収入印紙など換金性の高い資産については貯蔵品に振り替えるこ
とになるため、簿記3級では郵便切手や収入印紙の未使用分を費用から貯蔵品に振
り替える処理が試験範囲となっています。
②当期の決算時の処理
例1)決算時において期中に購入した郵便切手8,400円のうち840円が、収入印紙
20,000円のうち2,000円が未使用として残ったため、貯蔵品勘定へ振り替える。
(1)仕訳
(貯蔵品) 2840 (通信費)840
(租税公課)2000
(2)精算表の記入
精算表 .
勘 定 | 試 算 表 | 修正 記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | .
科 目 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | .
通信費 | 8400|ーーー|ーーー|→ 840|→7560| | | | .
租税 公課| 20000|ーーー|--ー|→2000|→18000| | | | .
貯蔵品 | | | 2840|ーーー|ーーー|ーーー|→2840| | .
③次期の期首の処理
当期に貯蔵品(資産)に振り替えたのち、次期の期首(翌期首)には決算整理仕訳と
逆の仕訳を行って、もとの費用の勘定に振り戻します。
この仕訳を再振替仕訳といいます。
例2)期首につき、例1で貯蔵品に振り替えた郵便切手840円と収入印紙2,000円につ
いて、再振替仕分けを行った。
(1)仕訳
(通信費) 840 (貯蔵品)2840
(租税公課) 2000
ということで、本日はここまで。
次回は決算整理の4回目として「貸倒引当金の設定」について学びます。
ご一読を頂きまして、有り難うございました。
ご縁がございましたら、どうぞまたお越し下さいませ。