お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第八十八回:決算整理(5-1)

税理士資格取得に向けた、簿記3級のお勉強記録。

 

88回目の本日は【決算整理】の7回目。

今回から3回に渡り、有形固定資産の減価償却について学んでまいります。

 

減価償却とは

 建物・備品・車両などの有形固定資産は、使用することによって年々価値が減ってい

 きます。そこで決算において当期中に生じた価値の減少分を見積り、その分だけ有形

 固定資産の帳簿価額を減少させるとともに、同額を費用として計上していきます。

 この手続きを減価償却といい、減価償却によって費用計上される金額を減価償却

 (費用)といいます。

減価償却費を計算するさいの3要素とは

 減価償却費は有形固定資産の取得原価耐用年数残存価額の3つの要素を使って計

 算します。

 減価償却費を計算するさいの3要素

  (1)取得原価 : 有形固定資産の購入にかかった金額

  (2)耐用年数 : 有形固定資産の利用可能年数

  (3)残存価額 : その有形固定資産を耐用年数まで使用したときに残っている

            とする価値

減価償却費の計算方法

 減価償却費の計算にはいくつかの方法がありますが、簿記3級で扱う方法は定額法

 いう方法です。

 定額法とは、有形固定資産の耐用期間中は毎月同額だけ減価償却費を計上する方法

 で、このときの減価償却費は以下の計算式のよって求められます。

 ※一年分の減価償却費=(取得原価-残存価額)÷耐用年数

④当期首に取得した有形固定資産の減価償却費計算

 ③で挙げた計算方法を用いて、ある有形固定資産を期首に取得した場合の減価償却

 を計算してみましょう。

 例)決算において、当期首に購入した建物(取得原価:10,000円、残存価額:取得原

   価の10%、耐用年数:30年)について、定額法により減価償却を行う場合の減価

   償却費を計算する。

   (1)残存価額を求める

      10,000円×10%=1,000円

   (2)算出した残存価額を用い減価償却費を求める

      (10,000円-1,000円)÷30年=300円

   (解)300円

 ※残存価額が取得原価の10%の場合、耐用期間中に取得原価の90%を減価償却すると

  いうことになります。したがって、この場合の減価償却費は以下のように計算する

  ことも可能です。

  {一年分の減価償却費=取得原価×0.9×耐用年数}

 

 

ということで、本日はここまで。

次回は期中に有形固定資産を取得した場合の減価償却費の計算と、減価償却費の記帳方

法について学んでまいります。

 

ご一読を頂きまして、ありがとうございました。

ご縁がございましたら、どうぞまたお越しくださいませ。