お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第八十九回:決算整理(5-2)

税理士資格取得に向けた、簿記3級のお勉強記録。

 

 

89回目の本日は【決算整理】の8回目。

前回に引き続き有形固定資産の減価償却について、今回は期中に取得した場合の計算方

法と、記帳方法について学んでまいります。

 

①期中に取得した場合の減価償却費計算方法

 期首に取得した有形固定資産については一年分の減価償却費を計上しますが、期中に

 取得した有形固定資産については、一年分の減価償却費を月割計算し、使った月数の

 分だけ減価償却費を計上します。

 月割の減価償却費を求める計算式は、以下の通りとなります。

 ※期中取得の有形固定資産の減価償却

  =一年分の減価償却費×当期に使用した月数/12か月

②期中取得の有形固定資産の減価償却費計算例

 

 ①で挙げた計算方法を用いて、ある有形固定資産を期中に取得した場合の減価償却

 を計算してみましょう。

 例)決算において、当期の12月1日に購入した建物(取得原価:10,000円、残存価

   額:10%、耐用年数:30年)、定額法により減価償却を行う場合の当期の減価償

   却費を計算する。なお、決算日は3月31日である。

   (1)残存価額を求める

      10,000円×10%=1,000円

   (2)一年分の減価償却費を求める

      (10,000円-1,000円)÷30年=300円

   (3)当期分の減価償却費を求める

      300円×4か月/12か月=100円

   (解)100円

減価償却費の記帳方法

 

 減価償却費の記帳方法(仕訳の仕方)には直接法と間接法がありますが、簿記3級で

 の出題は間接法のみとなります。

 間接法とは、減価償却費(費用)を借方に計上し、貸方を減価償却累計額で処理する

 方法です。減価償却累計額は資産のマイナスを表す勘定科目で、有形固定資産の名称

 を付け「建物減価償却累計額」や「備品減価償却累計額」とすることもあります。

④間接法による減価償却費の記帳例

 間接法による減価償却費を記帳してみましょう。

 例)決算において、前期首に購入した建物(取得原価:10,000円、残存価額:10%、

   耐用年数:30年)について、定額法により減価償却を行い、間接法で記帳する。

   (1)残存価額を求める

      10,000円×10%=1,000円

   (2)一年分の減価償却費を求める

      (10,000円-1,000円)÷30年=300円

   (3)仕訳をする

      仕訳 : (減価償却費) 300 (建物減価償却累計額) 300

   (4)精算表に記帳する

精算表の記入

                  精算表                  .

 勘 定 | 試 算 表 | 修正 記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | .

 科 目 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | .

 建 物 | 10000|ーーー|ーーー|ーーー|---|--→ | 10000|   | .

建物減価償

却累 計額|   |  300|ーーー|→+300|ーーー|ーーー|ーーー| → 600| .

減価償却費|   |   |  300|ーーー| → 300|   |   |   | .

 

 

ということで、本日はここまで。

次回は「月次決算を行っている場合の年次決算の処理」について学びます。

 

ご一読を頂きまして、ありがとうございました。

ご縁がございましたら、どうぞまたお越しくださいませ。