お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第105回:決算整理(11ー6)
税理士資格取得にむけた、簿記3級のお勉強記録。
105回目の本日は【決算整理】の24回目。
※決算整理(簿記3級)における整理点
簿記3級における決算整理では、以下の9点について整理します。
(1)現金化不足の処理
(2)当座借越勘定への振替
(3)貯蔵品勘定への振替
(4)貸倒引当金の設定
(5)有形固定資産の減価償却
(6)売上原価の算定
(7)消費税納付額の計算
(8)費用・収益の前払・前受と未払・未収
(9)法人税等の計上
今回から3回に分けて(5)有形固定資産の減価償却について振り返ります。
①減価償却とは
建物・備品・車両などの有形固定資産は、使用することによって年々価値が減ってい
きます。
そこで決算において、当期中に生じた価値の減少分を見積もり、その分だけ有形固定
資産の帳簿価額を減少させるとともに、同額を費用として計上していきます。
この手続きを減価償却とし、減価償却によって費用計上される金額を減価償却費(費
用)といいます。
②減価償却費を計算する3要素
減価償却費は有形固定資産の取得原価・耐用年数・残存価額の3つの要素を使って計
算します。それぞれの意味は、以下のとおりです。
(1)取得原価 : 有形固定資産の購入にかかった金額
(2)耐用年数 : 有形固定資産の利用可能年数
(3)残存価額 : その有形固定資産を耐用年数まで使用した時に残っている価値
③減価償却費の計算
減価償却費の計算方法にはいくつかの方法がありますが、簿記3級で学習する方法は
定額方法となります。定額法とは、有形固定資産の耐用年数期間中、毎年同額だけ減
価償却費を計上するという方法で、減価償却費は以下の計算式によって求められま
す。
1年分の減価償却費=(取得原価-残存価額)÷耐用年数
例)決算において、当期首に購入した建物(取得原価10,000円、残存価額は取得原価
の10%、耐用年数30年)について、定額法により減価償却を行う際の減価償却費
を求める。
③ー1:残存価額を求める
10,000円×10%=1,000円
③-2:減価償却費を求める
(10,000円-1,000円)÷30年=300円
ということで、本日はここまで。
次回も引き続き「有形固定資産の減価償却」について振り返ります。
ご一読を頂きまして、有り難うございました。
ご縁がございましたら、どうぞまたお越し下さいませ。