お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第九十二回:決算整理(6ー2)

税理士資格取得に向けた、簿記3級のお勉強記録。

 

91回目の本日は【決算整理】の11回目。

前回に引き続き、有形固定資産の売却について学びます。

 

①【復習】有形固定資産の売却について

 有形固定資産を売却したときは、売却価額と帳簿価額との差額を固定資産売却損(費

 用)または固定資産売却益(収益)で処理をします。

 ※有形固定資産の帳簿価額=取得原価-原価償却累計額

 有形固定資産を売却したときは、有益固定資産の帳簿価額を減少(貸方に記入)させ

 ます。また間接法の場合には、売却した有形固定資産の取得原価と減価償却累計額を

 減少=資産のマイナスを表す勘定科目の減少(借方で処理)させます。

②売却価額<帳簿価額の場合で有形固定資産を売却したとき

 帳簿価額よりも高い金額で有形固定資産を売却することになったときは、儲けが生じ

 ることになります。この場合の儲けは、固定資産売却益(収益)で処理をします。

 例)当期首において備品(取得原価10,000円、減価償却累計額5,400円)を5,200円で

   売却し、代金は月末に受け取ることとした。

   この取引を、間接法によって仕訳しよう。

   (1)帳簿価額と売却損益の算出

      帳簿価額 : 10,000円(取得原価)-5,400円(累計額)=4,600円

      売却 : 5,200円(売却額)-4,600円(帳簿価額)=600円

   (2)仕訳をする

        借方       仕訳帳      貸方     

   (未収入金)      4000 | (備品)     10000

   (備品減価償却累計額) 5400 | (固定資産売却益) 600

③有形固定資産を期中売却したとき

 有形固定資産を期中に売却したときは、期首から売却日までの減価償却費を計上しま

 す。 

 例)02年8月31日に、備品(取得原価10,000円、原価償却累計額5,400円)を4,000円で

   売却し、代金は月末に受け取ることとした。この備品は定額法(残存価額10%、

   耐用年数5年)により減価償却しており、冬期の減価償却費は月割計上をする。

   なお、決算日は3月31日である。この取引を、間接法によって仕訳をしよう。

   (1)当期分の減価償却費・売却損益を算出する

      残存価額 : 10,000円×10%=1,000円

      一年分の減価償却費 : (10,000円-1,000円)÷5年=1,800円

      当期分の減価償却 : 1,800円÷5ヶ月/12ヶ月=750円

      売却 : 4,000円-(10,000円-5,400円-750円)=150円

 

 

ということで本日はここまで。

次回は「売上原価の算定」処理について学びます。

 

ご一読を頂きまして、有り難うございました。

ご縁がございましたら、どうぞまたお越しくださいませ。