お勉強の回 ~税理士へのいばら道~ 第九十回:決算整理(5-3)

税理士資格取得に向けた、簿記3級のお勉強記録。

 

90回目の今回は【決算整理】の9回目。

前々回・前回に引き続き「有形固定資産の減価償却」について、今回は月次決算を行っ

ている場合の処理について学んでまいります。

 

①月次決算を行っている場合の年次決算の処理とは

 通常、決算は一事業年度(1年)に一回行いますが、毎月の経営や財政状態を明らか

 にするため、企業によっては毎月決算をすることもあります。一事業年度に一回行う

 決算を年次決算、毎月行う決算を月次決算といいます。

 月次決算においては、1年間の減価償却費を見積りそれを12カ月で割った金額を毎月

 計上します。そして年次決算において、1年間の適正な減価償却費を計算し、月次決

 算で計上していた減価償却費の合計額との差額を年次決算において計上します。

②月次決算を行っている場合の年次決算の処理例(その1)

 例)月次決算を行っているA社の建物の減価償却について、年間見積額30000円を12

   カ月で割った金額を毎月の決算で計上する場合の、当月の減価償却費を計上して

   みよう。なお、記帳方法は間接法とする。

   (1)年間見積額から月額見積額を算出する

      30,000円÷12カ月=2,500円

   (2)仕訳をする

      仕訳 : (減価償却費) 2500 (建物減価償却累計額) 2500

③月次決算を行っている場合の年次決算の処理例(その2)

 例)A社の会計期間は4月1日~3月31日であり、また月次決算を行っている。

   A社は建物の減価償却について、年間見積額30,000円を12カ月で割った金額を毎

   月計上しており、前期は12か月分、当期は2月末まで計上しているものとして、

   決算において3月分について同額を計上してみよう。なお、記帳方法は間接法と

   する。

   (1)年間見積額から月額見積額を算出する

      30,000円÷12カ月=2,500円

   (2)仕訳をする

      仕訳 : (減価償却費) 2500 (建物減価償却累計額) 2500

   (3)精算表に記入する

精算表の記入

                  精算表                  .

 勘 定 | 試 算 表 | 修正 記入 | 損益計算書 | 貸借対照表 | .

 科 目 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | 借方|貸方 | .

減価償却費| 27500|ーー→ |+2500|ーー→ | 30000|   |   |   | .

建物減価償

却累 計額|   | 57500|ーー→ |+2500|ーーー|ーーー|ーー→ | 60000| .

 

 

ということで、本日はここまで。

次回は「有形固定資産の売却」について学んでまいります。

 

ご一読を頂きまして、有り難うございました。

ご縁がございましたら、どうぞまたお越しくださいませ。